2010年08月11日

「民の見えざる手」大前研一



定評のある大前研一さんの本ですが、やっぱり面白い本でした。

そんな中で敢えて難点を言えば、細部でブレている所があり、かつ大事なところの提言がされていませんでした。

1.ブレているところは、

P151「その時に、まず前提となるのは、今のところ日本は、”突然死”するような状況にはない、ということだ。なぜなら日本はアメリカやギリシャとは異なり、海外から借金をしていないからである。」

P243「今の日本政府は、国民が増税を拒否しているにもかかわらず、巨大政府としての無駄遣いを続けている。税金に換算すれば、今の2倍以上の税収がないと帳尻が合わない。その差額が、国債という将来からの借金だが、日本のように経済成長も人口増加もない国では、将来からの借金は返済できない。」

です。長期的に駄目だけども、短期的には大丈夫ということなんでしょう。

提言がされていないところは、

P221
「私は『物欲・出世欲喪失世代』よりも上の世代、とくに彼らの親の年代にあたる『団塊の世代』に期待すべきだと考えている。団塊世代の生き方を変えることで、今後10年から20年ほどの日本経済を支える消費の原動力になる可能性があるからだ。」

ここは、いかにもコンサルタントらしい考え方で、購買力のある最大ボリュームのマーケットを対象とすればいい

と言っています。

この本を読むときに、ちょっと作家側の立場で読んでみました。P97「『新興国&途上国』市場に打って出る」の所で強く感じたのですが、根拠が薄いように感じました。

というのは、以前はBRICSがいいと言っていたような気がするんです。
今回は、インドネシア、ウクライナ、ルーマニアを取り上げていましたが、次回の作品では、アフリカ大陸の途上国が良いというかもしれません。

つまり、この手の「どこの市場が有望だ」だなんて人それぞれで、断言できることではないんですね。大前さんのことですから、上記の国々の成功者にインタビューをして文章にしただけに思えます。ここのところは、大前流の錬金術かもしれません。



posted by 大雪 at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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